いしばし鍼灸治療院

2018年10月13日3 分

運動の効果について!

最終更新: 2021年11月20日

不定期で、佐賀大学医学部より股関節だよりという、関節痛や、痛みについて興味ある記事を掲載されている冊子が送られてきますので、その中から、【運動の効果】について佐賀大学医学部准教授の園畑先生の投稿をご紹介します。
 

 

 
『病院の先生から、「運動したほうがいいですよ」「リハビリをしましょう」と言われたことも一度や二度ではないと思います。
 

 
運動は股関節や膝の痛みにどのような効果があるのでしょうか。
 

 
 痛みのある関節周囲の筋力増強、関節の可動域を増強させるストレッチ、減量は関節の痛みに効果があります。
 

 
 もう一つ、有酸素運動(早歩き、自転車、水泳などの全身運動)も効果的です。痛い関節と関係のない部分の運動がほとんどである全身運動がなぜ痛みに効果があるのか不思議ですね。
 

 
 その理由を説明します。
 

 
「ランナーズハイ」という言葉をご存知でしょうか。毎日ランニングをしていると、走らずには1日を終えられなくなるという話を聞いたことはありませんか?
 

 
これは、ランニングを繰り返すことによって「脳内麻薬」と言った物質が体の中に増え、ランニング中毒のような状態になることです。麻薬という言葉は少々過激ですが、すべての人の体の中にある機能ですので、犯罪とは無縁です。運動は、脳内麻薬だけでなく体の中にある痛みを軽くするための様々なスイッチを入れる事が分かってきました。専門用語では『内因性痛覚抑制機構』といいます。運動はこのスイッチをたくさんオンにします。
 

 
 膝が痛いのに、股関節が痛いのに、痛いところを動かしてリハビリするのはつらいですよね。ですが、内因性痛覚抑制機構は全身に効果がありますので、痛くない場所の運動をしても痛い場所に効果があります。
 

 
痛みが強い時は無理して痛い場所を動かさずに、動かせるところを一生懸命運動するのが効果的です。
 

 
 右ひざが痛くて動かせない時は、左ひざや上半身の運動をしましょう。ベッドから起き上がれない状態でも、指を開いたり握ったり、足首を回したり、とにかく動かせるところを一生懸命動かしてください。必ず体の中のスイッチが入ります。ちょっと疲れたなぁという程度の運動から始めてください。もちろん継続が大切ですので、ご家族、ご友人と、一緒の楽しみながら運動するのをお勧めします。
 

 
効果の仕組みがわかると、より積極的に取り組むことができると思います。』
 

 

 
と、投稿されておられます。
 

 

 
かんたんに言うと、痛いからと言ってただ寝ているばかりじゃなくて動かせるところを動かした方が早く治るということです。
 

 

 
お医者さんから、10日間は絶対安静にして何もしないで下さいと言われた方も、是非動かせるところから積極的に動かして、早く治しましょう。
 

 

 
鍼灸治療も似たところがあって、鍼を打つと、内因性痛覚抑制機構が働いて、たくさんの痛みを軽減させるスイッチが入ります。適度な運動療法と鍼灸治療で早く改善させましょう。

#スポーツ障害

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